それでも、起き上がる気力も、もちろん抵抗する気力も残っていない。
お兄ちゃんだとしても、どうせもう死ぬんだから、どうでもいいか。
瞼を閉じた瞬間、私の意識もまた暗闇に呑まれた。
だから、
「どこの子だ?」
その声も、聞くことはできなかった。