そして、私はお兄ちゃんを見上げて、
「ぅあっ……」
お兄ちゃんは、ベトリとした血を顔につけていて、それに妙な違和感を覚える。
いや、単に怖かった。
なにせ、普通に笑っているのだから。
様子からして明らかにお兄ちゃんのではない赤い液体。
いつもなら、安心するはずのお兄ちゃんの笑顔に恐怖を感じた。
「どうした、妃彩」