実の父である組頭は、見て見ぬフリをして助けてはくれない。
それでも、どこにも行く宛がないから耐えた。
逃げ出そうとしても、どうせ捕まってしまうから。
「……っ!」
頬に広がる痛みと、揺れる視界。
はたかれた頬に熱が籠もる。
「ここにいな。お前は要らない子。二度とここからは出さないわ」
固く閉ざされた、厚い厚い扉。
どうでもよかった。
ここなら、こんな暗いところならお兄ちゃんは来ない。
だからもう、繋ぎ留めるものはなにもない。
それでも、どこにも行く宛がないから耐えた。
逃げ出そうとしても、どうせ捕まってしまうから。
「……っ!」
頬に広がる痛みと、揺れる視界。
はたかれた頬に熱が籠もる。
「ここにいな。お前は要らない子。二度とここからは出さないわ」
固く閉ざされた、厚い厚い扉。
どうでもよかった。
ここなら、こんな暗いところならお兄ちゃんは来ない。
だからもう、繋ぎ留めるものはなにもない。

