みんなで楽しく笑って、みんなでご飯を食べる。
それが楽しくて、嬉しくて。
「紙苑ちゃん、少しお話してもいいかな?」
賑わう中、一人距離を置いて壁に寄り添い、ジュースを片手に持つ彼女に声をかける。
すると彼女は露骨に驚いて、肩を揺らした。
仕方ない、私は彼女を人質にしていた人の妹なんだから、恐怖を感じても可笑しくない。
そうは思っても、少し胸が痛んだ。
「……謝りたいけれど、謝るだけじゃ足りない罪を犯したことはわかっているの。それでも、ごめんなさい」