卒業できなかった、って聞いてなかったんだし。
でも、みんなで集まって話したいことがある。
「妃彩、狼嵐に行くの?」
「うん、みんなもだからね」
私がそう言うと、顔には出さないけれど、嫌だと言っているような雰囲気が綾から漏れ出す。
どうにも綾は、狼嵐のことがあまり好きじゃないらしい。
「ねぇ、綾。だめ、かな?」
みんなってことは、誰か一人でも欠けちゃうのは嫌だ。
ただ単に、一緒にいたいし。
すると綾は、渋々ながら頷いた。
「俺は妃彩の行くとこならどこだって行くよ」
笑って言う綾に、ありがとうと心の中でお礼する。