それは、“死なないから死なないで”という、お互いの死を否定しあうもの。
子供っぽくて、阿呆らしいけど、それは励みになっていた。
そしてもう一つ。
“汐弥”を救って。
できたのかはわからない。
彼が何をもって救われるのか、私には知ることはできない。
それに、彼の命はもう散ってしまって聞くこともできない。
だから、今はそう願うしかないのだ。
「翔、いまさらなんだけど…………いい?」
隣に立つ翔の腕を掴み、聞きながら目の前の扉を睨む。
自分でも往生際が悪いと思うけど、これはかなり緊張する。