「夢ですか、幽霊ですか……」
「棗ちゃん?本物の棗ちゃん?」
倖とレオは未だに目を瞬せている。
「棗、お前生きてたのか……?」
修人も、柄にもなく驚いている。
生きてちゃ悪いかこの野郎。
「いやぁ、携帯置いた後にさ、お兄ちゃんを運んで私も死のうとしたんだけど」
ああ、くそ、私はあいつのせいで死ねなかった。
生かしてくれたんだろうけど、ありがたいとは絶対に思いたくない。
「厄介なのに拾われて、しばらく身を隠してた」
だってほら、あんなもん残した矢先に生きてるよんと、すぐに出て行ったらかっこ悪いじゃん。
ねぇ?