ずっと部屋の中に閉じ籠もっていても、つまらないだろうと。
いや、ただの好奇心だった。
部屋に入ると、隅で体育座りをしてこちらを睨む彼女がいた。
俺たちと同い年というわりに、妙に大人びて見えた。
黒くて長い髪を結うこともせず、長い前髪で目元を隠していた。
けれど、綺麗な顔立ちだった。
煤けた着物も鮮やかな着物に変わっていて、きっと女将のお古だったんだろう。