しばらくすると、綾が目を覚まし、二人も起きた。
僕が起きていることに最初は驚いていたけれど、すぐにナースコールをして、医者が来るまではとにかく僕のことを気遣ってくれた。
でも、やっぱり棗が死んだと思っているから、どことなく無理をしているのがわかった。
今さっき会ったから、心配しなくてもいい、とか口止めをされてるから言えないのが口惜しい。
だから、僕は白々しくも何もかもを知らないフリをする。