「…………絶対だからね」
正直不満があるけど、妃彩の決めたことに逆らえるほど僕は強くない。
だから、頷くしかないんだ。
「じゃあ、起きちゃうかもしれないから、もう行くね」
「うん、またね」
“さよなら”じゃなくて、“またね”と言ったら、嬉しいのか、満面の笑みで。
「またね」
彼女は去って行った。
僕はその後、ずっと窓の外を見ていた。
もしかしたら彼女が帰るところを見れるかもしれないかと思ったけど、彼女がそんなに期待通りに動くわけなかった。