「翔っ、ごめん。今まで、逃げてばっかで」
「もう、終わったんでしょ?」
諭すように、泣く棗に言うと、「うん」と。
終わったってことは、汐弥ももう、つらくて重い苦しみから解放されたのかな。
最初は誰が悪いわけでもなかったのに、たくさんのことがあり過ぎて、悪いことが続いてしまった。
それは長かったから、そう思うと、やっとたくさんのことに解放されるんだな。