バイクのキーを差し込むと、エンジンが唸る。
それに跨って、エンジンをさらに吹かす。
「絶対に、見つけるから」
綾が真っ直ぐ私を見て言う。
うん、と笑って返すと綾も口元を緩めた。
絶対に翔を見つける。
そして、汐弥を……。
前を見据えて三人に、言う。
「私、みんなのこと大好きだから」
そう言うと三人は声を揃えて「当たり前」と言うから、思わず吹き出してしまう。
もう、何も失いたくない。
だから、きちんと終わらせよう。
私はエンジン音を轟かせながら、バイクを発進させた。