「……もうすぐ、あいつが殺しに来る。お前を解放するよ」
突然その言葉は投げられた。
傷が完治しそうになった頃のことだった。
けれど無条件で帰すわけにはいかないと、彼は一つの錠剤と水を差し出した。
「死にはしない。けれど少し重い毒だ。悪いが飲んでもらう」
苦しそうに言う彼に、どこか憎めないと思ってしまった。
「汐弥さん、僕はあなたをそれほど悪い人には見えなかった。汐弥さん、治療をしてくれて、ありがとうございました」
頭を下げると、彼は驚きながらも笑った。
その顔は棗に本当にそっくりだった。
突然その言葉は投げられた。
傷が完治しそうになった頃のことだった。
けれど無条件で帰すわけにはいかないと、彼は一つの錠剤と水を差し出した。
「死にはしない。けれど少し重い毒だ。悪いが飲んでもらう」
苦しそうに言う彼に、どこか憎めないと思ってしまった。
「汐弥さん、僕はあなたをそれほど悪い人には見えなかった。汐弥さん、治療をしてくれて、ありがとうございました」
頭を下げると、彼は驚きながらも笑った。
その顔は棗に本当にそっくりだった。

