寄り添ってくれる心葉と紘の手も震えていて、ずっと我慢していたんだと悟る。
私だけが苦しいとか、そんなことを思って、三人を苦しめていたんだ。
現実を見ないで、過去にとらわれて抜け出せずにいた。
けれど、この手は私を掴んでくれた。
「……私のせいでああなったのに、ずっとずっと、」
「棗、そうやってすぐに自分のせいにするなよ」
心葉が目に涙を溜めて笑う。
「……家族を守るのは当然だから」
紘の握る手に力がこもる。
変わらないでいてくれるこの人たちに、私は何ができるだろうか。
もうあんな思いをしたくない、私が守らないと。