私は今、彼に馬乗りの状態で、一筋の汗が彼の頬を伝った。
「お兄さん、あなたが今求めているのは傷つけるための強さ?もしそうならそんなの得ない方がいい。それは単なる暴力だから。でも、何かを、誰かを守りたいために得たいなら、それこそが強さだ。だからお兄さん」
立ち上がり、手を差し出す。
手を掴み、ぐいっと引っ張り上げる。
「本当に強くなったとき、もう一度勝負をしよう」
彼はしばらく驚いていたけれど、やがて肩の荷が下りたかのように笑うと強く手を握り返した。
「ぜってー負けねぇから」
「じゃあ私も強くならないとね」
私たちは月と街灯に照らされながら、小さな約束を交わした。