翔がそう柔和に笑うと、笑い出す男たち。
そういうことなら、と散ってくれるらしい。
しかし、最後の男はもう一度振り返ると手を振りながら満面の笑みで言った。
「じゃあ翔さん、デート頑張って下さいねー」
だからデートじゃねぇつってんだろうが。
思いっきり睨んでやると引きつった顔をして人混みに紛れていく。
完全に周りの男がいなくなり、しばらく続く沈黙。
先にそれを破ったのは、困った顔をする翔。
「棗、そんなに怒らないでよ」
「怒ってない」