ゆっくりと近寄って来ると、綾は苦笑いした。
「ずいぶんと羨ましいことをしてるね」
私の膝には静かな寝息をたてる翔がいて、安心しているかのような寝顔。
さらりと髪を撫でると、心地よさそうに頬をすり寄せて来て、猫のようだと思ってしまう。
「打ち解けたみたいだね」
何があったのかは聞かないのが、綾の優しさ。
彼の言葉に頷いて、視線を落とす。
「私ってこうだったのかなって思っちゃった」
「うん、警戒心丸出しだったよ」
クスクスと笑いながら隣に座る。
心外だと少し溜め息混じりに言うと、本当だよと返される。