手を少し強く握って、笑う綾。
なんだろう、少しだけあったかく感じる。
それでも、あそこの怖さは知っている。
それに、お兄ちゃんは、汐弥は両親を殺したことで、その二人の上をいくということになる。
そんなのに勝てるとは、到底思えない。
正直見つかるのは時間の問題だとしか言いようがないわけだ。
けど、少しだけでいいから、ここのこの温もりをもう少しだけ分けて欲しい。
そうすればきっと、一人でも生きていけるようになるから。