鬼麟3

連れて来られたのは、さっき樹彦さんが彼の子供に言っていた、広間というところ。
そこにはたくさんの男の人たちがいて、みんな私を見ている。
私は咄嗟に律さんの後ろに隠れるようにして、そのたくさんの目から逃れようとする。
「集まったのにはみんな気付いていると思うが、今日から新しい家族が増える」
沈黙が重い空気を作るなか、樹彦さんの声がよく通る。
そして、律さんの後ろに隠れている私の手を引く。