ある日、洸太がつかまえたカブトムシが 飛んでいってしまったことがあった。 洸太の目に、見る見る間に涙がたまっていって。 ひぃひぃと泣きだした。 「こうた、わたしのあげるから、なくのやめな」 そう言うと洸太は、 「いいの?みおりちゃんのかぶとむし、いなくなっちゃうよ」 と問いかけてきた。