俺は自分が泣いていることに、気づいていなかった。 俺の身体は恐怖で震えていた。 美織を失う、それは言葉にならないくらいの恐怖だった。 俺は美織の身体を、強く抱きしめた。 その華奢な身体が、折れてしまいそうなくらいに。