小さなころから知っているあの花が開いたような笑顔。 美織は足が速くて、俺はいつも走って後を追いかけていた。 「洸太は走るの遅いなー」といいながら、待ってとせがむといつも俺の歩調に合わせてくれた。 身長も低かった俺は、美織よりも頭ひとつ分ちびだった。 それがくやしくなったのはいつからだったろう。