階段を駆け下りると、トーストの香ばしい匂いがしてきた。 「お、起きたね」 優しく微笑むお兄ちゃん。 「おはよ」 席につくと、お母さんが目玉焼きとサラダを持ってきてくれた。 「おはよう、美織。また悠人に起こしてもらったの?」 「うん」 ティーポットからカップに紅茶を注ぐ。 いい匂い。 「まったく…。そんなんじゃお嫁にいけないわよ」 「いかないもーんっだ」