ふわっと、甘いシャンプーの匂いが香る。
「何かあったら、なんでもわたしに相談してね」
そういうと、理香子先輩は奥の準備室に入っていった。
「美織、顔が怖い」
結衣に指摘される。
「だって」
「美織はほんとやきもち焼きだよな」
洸太がからかう。
「黒いオーラ出てたもんね」
矢野先輩にまでからかわれる。
「お兄ちゃん、あの人のこと好きなの?」
お兄ちゃんがげほげほとむせる。
「理香子とは単なる部活仲間だよ。知らない?同じ中学だったじゃない」
「知らなかった」
あんな綺麗な人が、お兄ちゃんの傍をウロウロしてたなんて。
よく見張っていなくちゃね。

