君がメガネを外す時






「一緒に学級委員やりたいから推薦したってこと?」

「そ」



よく見たら、その子はいつの間にかわたしの席に座って、洸太と話をしていた。





……なんか、気に食わない。





洸太はわたしの幼なじみなのに。


洸太は相変わらず無愛想な顔で、返答をしている。


わたしはあの子の知らない洸太の顔をたくさん知っている。

入りこめやしないんだから!



「ふん!」

「どしたの美織、鼻息荒いよ」


結衣につっこまれる。


「なんでもない」


「まあ、洸太は成績優秀だし、無口に見えて、まとめる力あるしね。適任なんじゃない」


チャイムが鳴った。


「じゃ、またね、結衣」

「うん、じゃね」



席に戻るともうあの子はいなかった。