君がメガネを外す時






結衣が休み時間に来た時、わたしはむくれていた。


「美織、どうしたの、その不満げな顔は」

「だぁーってさ、委員なんてやる気なかったのに、押しつけられちゃったんだもん」


ああ、とすべてがわかったというように、結衣が頷く。

「何委員?」

「美化委員」

「あら、わたしも一緒」

その言葉にはじかれたように言葉を返す。

「ほんとっ?」

「うん」



結衣が一緒ならまあいいかー。


適当にさぼっちゃえばいいし。

「あ、そうそう聞いてよ結衣。洸太なんてね、学級委員だよ」

「へえー、立候補?」

「ううん、推薦。あの同中だった子いるじゃん」


わたしは目で結衣に教える。


「ああ、あの美人さんね」

「あの子に推薦されてた」

「あの子って、洸太のこと好きなの知ってた?」


ええっ!!と目を見開くと、結衣が声を小さくする。


「あの子も学級委員でしょ」

「なんでわかったの」

「わかるよ」