君がメガネを外す時






階段の途中でお兄ちゃんと別れて、1年生の教室が並ぶ3階まで上がる。


わたしと洸太は同じクラスだけど、結衣とは別れてしまった。



「あとで、絶対に遊びに来てね」


と結衣に言うと、

「わかったわかった」

と言って、さっさと自分のクラスへと行ってしまった。



「結衣、さみしくないのかなぁ」

と洸太に話しかける。

「あいつは大丈夫だろ」


わたしはさみしい。


結衣はクールに見えるけど、じつはすごく優しくて、いつもわたしのことを考えてくれる。



「お前のほうがさみしいんだろ」


ドキッ。見透かされてしまった。


「そ、そんなことないよ。洸太もいるしね」

「俺はついでかよ」

ほっぺたをぎゅーっと掴まれる。

「いたいいたい、やめてよ」