そのまま、川のほうに向かって走る。 ひとりになって頭を冷やしたかった。 「結衣!」 今じゃ一番足の速くなった洸太が私に追いついて、手を引っ張った。 「何かあったのか?」 「なんでもない」 「なんでもなくないだろ」