君がメガネを外す時






「おばさんに聞いたらもう家出たっていうから、洸太とふたりで来たのよ」


「ごめ~ん」



わたしたちを追い抜かして先を歩いていた洸太が振り返る。


「美織」

「何よ」

「それ、バカップルみたいだからやめろ」



手をつないでいることを言っているらしい。


「やだ」

「悠兄が誤解されて迷惑するぞ」

「やだもん。命令しないでよ」




「まあまあ」

またお兄ちゃんがわたしをなだめる。




わたしたちはいつも、こんな感じだ。