「……美織(みおり)」 「……むー」 眠い。 「起きて、美織。今日から学校だろ」 「あと5分だけ寝たい……」 「だーめ、遅刻するよ」 お兄ちゃんの首に抱きつく。 バランスを崩したお兄ちゃんがベッドに倒れ込んでくる。 「こらこら」 仕方ないので体を起こしてパジャマのボタンを外す。 「先に下行ってるよ」 お兄ちゃんはわたしの頭を優しく撫でると、部屋から出て行った。