ハッ、ハァ

少女はひたすら走っていた。
延々と続く牢獄を

見渡しても、そこには中で囚人がうなだれている檻があるだけ。

(出口はどこ、どこも同じ景色ばかり…)

どこに向かっているか自分でもわからなくなっていた。

それでも足は止めずにひたすら走り続ける。

すると突然、目の前に一つの檻が立ちふさがる。

進路を変えようと、道を探すが、今まで自分が走ってきたもの以外はなさそうだ。

(うそ、行き止まり…? 戻るわけにはいかないのに)

絶望に囚われていたとき、ふいに声をかけられる。

「ここで、何をしているんですか?」