「そろそろ、君のご両親も心配してると思うから、連絡しなきゃな。」 「…!」 この言葉を出して来なければいいと思っていた。 私はテーブルに箸をおく。 「あ、あの、1人で帰ります…私…。」 「昨日あんなことがあったんだ。1人で帰すわけないだろ。」 男は真剣な表情で言う。 「でも…。」 「…ご両親と何かあったのか?」 男はそうたずねてきた。 どうしよう。 話してもいいのかな。 でも、助けてくれたんだし。 言わなきゃ失礼かもしれない。 「あの、私ーー」