桃色クレヨン



『美味しい。』


天宮はそう言った。


『天宮のお弁当もスッゴク美味しい!俺のおかんよりも~!』


『それお母さまが聞いたら悲しむわよ?こんなに美味しいのに。』


『そうか?毎日、ありきたりなおかずしか入れないからさ…天宮のお弁当は凝っていておいしいや!』


『私はこーゆ素朴な味が好き。甘い玉子焼きに、ほうれん草のお浸しに、ハンバーグ…どれも心がこもってる…』


そう言ってお弁当を見つめていた。


そして天宮の目から雫が1つ落ちた。


『天宮?』


『ごめんなさい。私、心のこもった手作りのお弁当ってあんまり食べた事なくて…』


そう笑って言った。


俺にはちょっとだけ天宮が悲しそうにまた見えた。