ケーキ屋に行くも、お母さんらしき人はいなかった。
「どうしよ……」
全然親が見つからなくて、私は焦りため息ついた。
「りょーた!」
フロアを大きな声が響いた。パッと声のほうを見たら女の人がこっちに走ってくるのが目の端に映った。
「かあさん……!」
男の子も、お母さんの方に走っていって抱きついた。
親子の感動の再会を私は見届けた。
「中村!」
肩をたたかれて、名前を呼ばれた。呼ばれた名前は結婚する前の名前だけどね。
「……先輩?」
振り返ると、高校時代の部活の先輩がいた。私の顔を見て、男の子と同じ様な笑顔を浮かべた。
「涼太が迷惑かけた。中村が一緒にいた子供は俺の息子で、あれが嫁な」
私とさっきいた子は、どうやら私の先輩の子供だったみたい。
