今日は、久しぶりのお出かけ。毎日、屋敷にいるのは退屈すぎる。


私の夫は、会社の社長だ。割とお金持ちで、家には使用人がいる。


今日の買い物は、夫とじゃなくて使用人だ。


夫と買い物に行ったら、私の話も聞かず自分がいいと思ったものを買うからイヤなのよね~。


「奥様、これ買ってくるので座って少し待っていてください」


使用人の山田くんは、ショッピングモールのエスカレーター近くにあるソファを指さした。


「わかったわ。それ、よろしくね!」


私は、山田くんにお支払を頼んでソファに向かった。


ソファに座ろうとしたら、太ももあたりに何か強い衝撃を受けた。


「……え?」


見ると、幼くて可愛らしい男の子が私に飛びついていたのだった。