梅酒で乾杯のレビュー一覧
5.0
引きこもっていた時期の自分に寄り添い、引き上げてくれた彼。
いつも一番近いところにいてくれて、同じ速度で歩いてきたはずなのに。
いつの間にか、二人の間の距離感に気づいてしまった。互いの環境の変化、心の変化が進む速度までも変えてしまっていて。
それから、ゆっくりと始まる心の準備。梅酒の熟成とともに気持ちも成長していく実加の姿に、切なさと共感を覚えました。
大好きな彼の幸せのための決断。
別れは悲しくて苦しいけれど、二人のために。
切なさの後に訪れる希望の光が温かく胸に沁みてくるお話です。
是非、読んでください。
移ろいゆく季節の中で、身を置いた環境の中で、人は少しずつ変わっていく。
隣に並んで、手を繋いで、ゆっくり歩いているつもりだった。けれどもいつの間にか、どこかでふたりの距離は遠くなってしまっていた。彼のせいじゃない。あたしのせいでもない。これは仕方のない変化。
梅酒を熟成させるように、ゆっくりとその変化を受け入れて、心の準備をして。
大好きだから、さよならする。ふたりが幸せになれるように。
切なくなって、きゅっと胸が締め付けられて、それでも後味はふんわり優しくて。
ふたりのたくさんのありがとうが込もったお別れの乾杯に、私も幸せな気持ちになりました。
きっときっと、今度は嬉しい乾杯ができるといいな。
後ろを振り向き振り向き遠慮がちに進むのではなく。遠ざかる背中をひたすら追いかけるのではなく。自分の歩幅で、自分の人生を歩んでいけるように。
素敵なお話をありがとうございました。
久々にレビューが書きたくなった、そんな大人の為の短編小説。
スピーディーな展開でもなければ、誰が悪い訳でもない、ひとつの恋の終わりの物語。
梅酒の熟成と実加の心の成長が重なり、物語に深みを感じました。
ラストはちょっぴり涙。そして心地好い始まりの予感も。
梅酒が恋しい~
こういった大人の為の素敵な作品に出会うと、やはり携帯小説っていいなと思います。