「…オイ、馬鹿女
何時まで嘆いているんだ
オラ、立て!
こっちにも必要事項書け!」



渡された紙
上記には、『部活動本入部届け』


「って書くか!」

「お前に否定権はない」

「普通仮入部見てからだすもんでしょう!」

「共同庭球は入部希望が多いから
その場で本入部届け出すことの許可も得てるんだよ
別に、嫌な雰囲気じゃねぇだろ?」



確かに、楽しそうだ
特に入りたい部活があるわけでもない
でも、御剣さんと同じ部活なんて…


「豹那ちゃん
君には、俺も本入部をして欲しい」

「朱崎さん…」

「見ただけでわかる
君は、磨けば輝く」



真剣な朱崎さんの瞳

私の脳裏にフラッシュバックする光景
小さな子供の、ボールの打ち合い―――


「…」


「馬鹿女?」

御剣さんから本入部届けを奪い、私はそれに記入をしていく
これは、ただ興味が湧いたから
それだけ
自分に言い聞かせ、私は朱崎さんにそれを提出した



「…ありがとう」