時雨side
コウの話によると、哉魔屋弓弦は結構前から透明を好きだったと言うことになる。
「…透明の過去」
それと哉魔屋の過去はきっと何かしら接点がある。
そして…透明を男嫌いにした何かが…!
男を好きになった透明は、きっとその時は普通だったんだ。
でも…コウが忘れてしまった次から、男を好きにはなれなくなったことになる。
「…時雨。俺ちょー眠い」
コウはふぁーとアクビを一つ。
「そーだな」
デジタル時計をみるともう午前3時。
「寝ようか」
俺は布団に寝転がる。
たくさんのことがいっきに起こり過ぎて頭がついていかないとはこのことか。
…今までこんなに頭がパンク寸前になったことあったっけ?
…ない気がする。
「時雨、お前…俺とそんなに一緒に寝たいのか?」
ニヤニヤとお菓子をついばみながら、俺のベッドに背を預ける。
は?
どう言うことだよ。
俺も眠いながらに、ポテチを一つ。
「…やっぱり時雨はこう言うのに疎いよな」
何故か呆れ顔をされてしまう。
「…俺の布団は?」
「…嗚呼、悪いな。お前は床で寝ると思ってたからさ」
なるほどな。
ベッドで寝ていいかきいてたのか。
俺はもう一つポテチを摘まむ。
「おいおい!2年になってから俺への対応が酷くね!?」
コウはブウスカ文句をたれる。
俺は重い身体を起こして、隣の部屋の押し入れから敷布団を取り出す。

