「うーん…」
あったっけか?
なんか女が話してた気はしたけどな。
「…中学時代。哉魔屋は一人の美人系の可愛い女を好きになった。でも…その恋は叶わなかったんだ」
この話は伝説的になってる。
本当かどうかは俺には分からない。
「…で、その子は別の男を好きになった。その二人はすぐに付き合ったんだ。本当に幸せそうな感じ。でも哉魔屋は諦めなかったんだ」
そして…このあと。
どうなったっけ?
「…そのあとは?」
時雨は不思議そうに首を傾げた。
「分かんない。思い出せないや」
俺の言葉に呆れ顔の時雨。
「なるほどねー。その話ホントならその子は透明かもね」
ある程度予想はついたらしい。
確かに…、伝説的話によるとその子は透明ちゃんみたいだけどね。

