眩しい太陽が、車や家の屋根やアスファルトの上に散らばったガラスか何かの破片をビカビカと光らせていた。


伸びた前髪や、大嫌いな下向きのまつげの先、1本1本に小さな光の玉がついて、あたしの視界の邪魔をする。


見慣れてるはずの通学路の風景が、やけにキレイに見えた。


鮮やかな緑の葉っぱは風に揺られてさわさわと涼しげな音を立ててはいるものの、

肌を刺す日差しは、日増しに攻撃的になっている。


過ごしやすかった春が、だんだん夏に侵食されていく。



夏は嫌い。



建物も木も人も、目に映るもの全てが妙にキラキラ輝いて、生き生きして見えるから。


何一つまともにできない非力な自分だけが、取り残されたような気分になるから。


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