昨日突然親友の秋野美佐が死んでしまった。


それは昨日の夜のことだった。









私と美佐は学校が終わり家に帰る途中、美佐が道路に飛び出した猫を助ける為に引かれてしまった。




一瞬の出来事だった。







今まで一緒にいた親友が地べたに横たわり頭から血を流していた。









私は何も出来ず、ただその光景を見ていることしか出来なかった。












私は…
















「早苗?」









「…え?」







名前を呼ばれ、ふと顔を上げる。








机は涙で濡れていた。














「大丈夫?

気にすることないよ…
早苗のせいじゃないから」
















「ありがと

大丈夫だから
気にしないで直美ちゃん」














そう言うと直美はニコニコ笑いながら机に手をついた。




























「ホントはアンタが押したんじゃないの?」











「…え?」












「皆そう噂してるよ?

アンタが美佐ちゃんを殺したって

ね、違う?」










やっぱり…


皆そう思ってたんだ。












前からそうだった

私はこのクラスでは浮いた存在で、あまり好まれていないのは薄々気づいてた。







というより露骨にそれは示されてた。







靴が隠されたり筆記具が無くなったり、そんな悪戯が多々あった。





























でも…美佐だけは違った。





美佐と出会ったのは高校に入って一番最初の隣の席が美佐だった。






明るくて頼りがいがある美佐は私とは真逆の性格で周りからも好まれていた。





逆に私は誰ともあまり話さず皆から敬遠されていた。








でも美佐はそんな私を気にすることなく普通に喋りかけてくれた、プライベートでも普通に遊んだり二人で遠出したり…










かけがえのない親友だった。










「私は…
押してない…」










私は怒りで震える。




誰が親友を殺す?

理不尽な言いがかりが一番腹が立つ。


















「何?
震えてんの?

図星なんでしょ?」










コイツ…







お前を押してやろうか…。











「直美ー

そんな奴ほっといてトイレ行こうよ」













「あっ

うんー!!」











直美は走って友達のほうへ向かった。










…もう嫌だ。















美佐…







私…。