──あぁ、長々と私の愚痴を話している事に貴方は飽き飽きしている事だろう。君は誰なんだ。と言う声もあるだろう、そう、そうなのである。私はいつもそうなのである。大事な事を全てすっ飛ばして話を進めてしまうのである。悪い癖ではあるが人間誰がしも短所は有ると思う。見逃して欲しいと言うのは図々しいが御理解願いたい。


前置きが長くなってしまったが少し私の事を話してみようと思う。私は上山小枝(カミヤマサエ)と言う名前である。母が専業主婦、父が普通のサラリーマン、所謂普通の中の普通で家庭内暴力なんてもっての外。平手打ちさえされた事はない。温暖な家庭でなんの苦労もなく育ち、学び、生きてきた。そんな人間なのである。

年齢は25歳、独身である。勘違いしないで欲しいのは私はコミュニティ能力がなく今まで彼氏が出来た事が無い、そんな悲しい経歴は持ち合わせていない。学生時代にきちんとした男女交際をした事がある。そう、普通、普通なのである。

異常でもなく異彩でもない。普通の人間、それが私、上山小枝と言う人間である事をお分かり頂けただろうか?