目を閉じる。


わたしは、風の音と望の声だけを聞く。


「ママに会えて嬉しいって。パパもママが外に出てくれてよかったって」


━━━パパ


望の口からめったに聞かないその言葉が切なくて、胸がつかえた。


「ママまたシャボン玉で遊ぼうって。葉菜ちゃん」


「葉菜ちゃんもパパの顔も望には見れるの?」


「うん。見れるよ」