葉菜が亡くなったとき、あの子はほんの三才だった。


あれから、3年経ったから、今頃は真っ赤なランドセルを背負って……小学校に通っていたかもしれない。


教科書を、筆箱をガタガタ鳴らしながら、走っていく小学生を見ると、今でもかなしい。


時々、望のママ友と話をしていると、小学生のお兄ちゃんやお姉ちゃんの話が出るときがある。

『こないだ、お兄ちゃんが帰ってくるのが遅くてね。どこいったのかな、って、心配になったわ』


『この頃治安も悪くなってきたしね。心配になるよね……』


『やっと、帰ってきたから、どこ行ってたの!?って聞いたら……公園って小さい声で言うのよ』


それを聞いていて……いつも思う。


どこ行ってたの!?
そう聞いても……わたしの娘はもう


答えてはくれない……。