ふと、思い出す。


葉菜はトイレで目を覚ますことはなかったけど、時々、怖い夢をみたとかで起こされることがしばしばあった。


そのときは決まって、葉菜は、泣いていた。


そんな葉菜を夫は優しくトントンと背中を叩いて大丈夫、大丈夫と囁きながら葉菜を寝かしつけてくれた。


「会いたい、な……」


わたしが愛したふたりに。


そして、突然、いなくなったふたりに。