神社につくとびっくりするくらい
いや、驚いてるというより呆れた感じだな


「人、いないね」

「うん…」


神社はまだ人はいなかった
というより、正直この神社はかなり小さい
初詣に来るのは本当に近所の人だけなのかも


「お参りしよ~」

パタパタ~と走り出した佐野を追いかけ賽銭箱の前に向かった



「陣内くんは何円いれる?」

「え?」

「お賽銭!」

「あ~…、1円くらい」


俺は何のために香水をつけてきたんだろう…
友達でいようなんて思いながらどっかにチャンスはないかと伺ってる俺

未練タラタラ~

今日だってもし人がいっぱいなら手をつなげるチャンスかも!とか思ってたのにな…


財布をあけながらそんなことを思っていると佐野はいきなり俺の財布を覗き込んだ


「ぅへ?なに?」

「あ!あるじゃん!」

財布から取り出したのは5円玉


「金持ってねーの?」

「違うよ!5円はね、ご縁がありますように!ってコトになってんの!だから、一円じゃなくて5円!」