「異世界ファンタジーで15+1のお題」四

「それじゃあ、ラーシェル様やルシアン様が死なないようにすることも可能なのか?」

「あぁ、そうだね。
でも、ラーシェルは化け物に捻り殺されたんだろう?
死なないってことは、化け物にはやっぱりラークが捕まるってことかい?」

「そうじゃない…つまり……」

フォルテュナに自分の考えを伝えようとするセスの脳裏に、ふとターニャの語った言葉が過る。



『ルシアン様が、あの者と出会うことがなければ…きっと今もずっとお幸せに暮らされたのでしょうけど…』



(そうだ…すべての元凶はあの大臣なんだ!
ルシアン様が大臣と出会わなければ、空の異変は起こらず、そしてルシアン様が死ぬこともなく、もちろん、ラーシェル様が死ぬこともなかったはずだ。
それだけじゃない!
ジュネ様やラーク様にも翼が生えてこなかったかもしれないぞ。
あ二人は、ルシアン様が亡くなられたショックで…或いはそうじゃないかもしれないが、とにかく何事もなければ翼はきっと出て来ることはなかったと思う。
そうすれば、あの一族はずっと幸せに暮らすことが出来、そして……あ…)

セスの脳裏にもう一つの心配事が思い出された。



「フォルテュナ…シスター・シャーリーは、なぜ姿を消したと思う?」

「なんだい、急に…
それは、やっぱり……セス、君は本当になにも気付いていないの?」

フォルテュナは意味ありげな視線をセスに向けた。



「どういうことだ?」

「どういうって……これはもちろん僕の推測だけど…一介のシスターである彼女が大臣にそこまで信用されたのは…やっぱりそれなりの代償を払ったからだと思う。」

「代償?……まさか、フォルテュナ…」

セスは、頭に浮かんだいやな想像を言葉にすることが出来なかった。



「そう、彼女はきっと女の武器を使ったんだ。
国王を救うためにはそれは仕方のないことだと考えたのだろう。
だけど、すべてが終わった時…彼女の心はもうその傷みに耐えられなかったんじゃないだろうか?
増してや、相手が人間ではないとわかったら…」

「確かに、大臣の本当の姿を見た時の彼女は酷くショックを受けていた。
だけど、あんなのを見たら誰だって……
……そ、それじゃあ、まさかシスター・シャーリーは今頃……」

込み上げる胸騒ぎに、セスは上ずった声を上げた。