抜け出したくても抜け出せない。
彼女の優花ちゃんになんてかなうはずもないのに、見下してしまうんだ。
「辛いよ…。」
その声は、大貴のケータイのLINEの通知音によってかき消された。
「あ、わりぃ。優花が今から会いたいって言うから俺行ってくるわ。」
優花ちゃんが呼んだら大貴は行くんだ。
アタシと優花ちゃんの違い、それは歴然だった。
「いいよ。あたしももう帰らなきゃだし。」
アタシは決心したんだ。
「考えたけど、もうこの関係やめない?もう会わない、大貴とは。」
「おい!遥!まてよ!」
そう言ってアタシは涙を手で隠して大貴の家を飛び出て、家に向かった。
大貴がアタシを呼ぶ声が後ろから聞こえた。

