「だから、綾ちゃんに見せたかったんだ。」 えっ、私に…? なんでだろう。 別に私じゃなくてもいいのに。 でも、こんな綺麗なのみせに連れてきてくれた川平には感謝だなぁ。 お互い隣同士に並んだ状態で座り、何も話さずただただ満月が反射した川を眺めていた。 なんでか無言でも気にならなかった。 「そろそろ、帰りますか。」 そう言って川平は立ち上がった。