猫の世界と私

中の様子を伺うように、一人の生徒が顔を覗かせる。

腕を組み、その中に顔を埋めようとしていた瑛祐は、顔を覗かせる人物を見つめた。



「あ…おはよう…」



その人物は、戸惑い気味に瑛祐に挨拶をした。
小さくなっていく声を聞き逃さないように、瑛祐は耳を澄まし、会釈で返した。


彼女は同じクラスの三坂結愛。セーラー服にストレートセミロングの髪、結ぶようなアレンジはせずに、そのままの髪型でいつもいるため、三坂のイメージはセミロングということだけだ。
瑛祐とは出席番号が近いため、彼女との接点はそれなりにあった。


けれど、話したことがあるか、と聞かれれば、指を数える程しかない。


親しいわけでも、出席番号が近い以外の接点があるわけでもない為、友人の枠には入っていない。



「おはよう…」